写真が撮れない
ステージⅣの末期ガンである同級生のK君を励まそうと思い、一眼レフを携えて入院している病院を訪れた。 新築改装された大病院は、迷路のようで判りにくい。やっと辿り着いた彼の病室の名札を見て驚いた。 横に赤いシールが貼られているのだ。これは、とても状況が良くない印だ。...
料理の事始め
最近、ドイツ駐在時代に朝食として食べていた「カイザーロール」や「ブリツェルロール」が無性に恋しくなった。インターネットで近所のパン屋でドイツパンを売っている店を探し出し買いに出かける。ついでに何種類かのハムとチーズも調達する。すると自動的に週末の朝食は、僕の当番となった。パ...
姓名判断
以前から気になっていた「阿川佐和子」さんの「強父論」を買った。 僕が本を買うパターンはふたつ。本屋でタイトルを見ただけで直ちに買う場合と、迷った挙句に購入止めて数日後にまた欲しくなり探し回るパターンだ。 今回は、後者。これから読むところなので、その感想はまた別の機会に述べる...
湘南堂書店
小学校に入学する前から大学卒業するまで住んでいた街に「湘南堂書店」という小さな書店があった。ここは親父の行きつけの本屋さんだった。我が家には、何時の頃からか毎月末か月初めには必ずいくつかの雑誌が配達された。坂の多い街で店主はバイクに乗って現れる。「ちわー湘南堂です。」僕は心...
ユトリロと写真
いまから遡ること40年前・・・ 高校2年生になると、芸術系の科目が選択科目となった。 リコーダーもハモニカを奏でることもままならず、音痴だった僕にとって、 一番の朗報は「音楽」から解放されられることだった。 「音楽」「書道」「美術」のなかから消去法的に選んだのが「美術」だ...
三段ロケットの法則
正確な時期は忘れたのだが、写真家「ハービー山口さん」とお話する機会があった。 そのときの言葉がとても印象に残る。 「人生は、ロケットのようだ。一段目の噴射が終わり、二段目の噴射が終わったと思ったら、今、また三段目のロケットにも点火して加速している。」...
もうひとつのふるさと
あなたにとって「ふるさと」とは?そう聞かれたらなんと答えるでしょうか。 生まれてから、ずっと同じところに住んでいる人もいるかもしれませんが 多くの場合、現時点で住んでいる場所とは異なること思います。 そんな私には、沢山の「ふるさと」があるように思えてなりません。...
父親の肖像
父親が自分に与えてくれたもの。 それは、「世の中の生き方」だったように思う。 父「誠」は、昭和7年(1932年)岩手県盛岡市で生まれた。 旧姓を「戸澤」と言い、代々、宮大工だったと聞いている。 だが家庭環境は、非常に複雑だったようだ。...
最古の写真の話
小学校のころから毎年、新学期がとても優つだった。 初めての出席を取るたびに名前の読み方を説明する必要があったからだ。 先生が最初に躓くのが自分のところなのだ。 「何と読むの?」と必ず聞かれる。 「おごし」と答えると「へー珍しい名前だねぇ」と必ず言われた。...
写真の作法
一般に写真と言うとすぐに撮影ばかりに眼を奪われがちだ。 実際にポートフォリオ造ったことのある人なら理解できる思うが、「テーマ造り」「コンセプト造り」「ステートメント造り」「作品セレクト」「用紙選定及びプリント」に費やす時間がほとんどであことに気付く。...