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姓名判断


以前から気になっていた「阿川佐和子」さんの「強父論」を買った。

僕が本を買うパターンはふたつ。本屋でタイトルを見ただけで直ちに買う場合と、迷った挙句に購入止めて数日後にまた欲しくなり探し回るパターンだ。

今回は、後者。これから読むところなので、その感想はまた別の機会に述べることにするが、僕もこのブログでたびたび書いているのが「我が父のこと」なのでとても気になった。 良くも悪くも父親の性格が、現在の僕をつくっているのは疑う余地は無い。 最近は、夜中にトイレに行くときに耳にする「自分の足音」すら父親のそれと同じだと気付き苦笑する。

高校生1年生のころに、こんなエピソードがある。 ひとりで家で留守番していたある日、電話がかかってきた。

「もしもし、日産自動車広報部のxxですが、お父さんはおられますか?」

「いえ、今日は外出していて家にはいません。」

「えーッ!またまた、生越さーん!冗談ばかり・・・そこにいるじゃないですか?」

電話の向こうの相手にはなかなか理解してもらえなかった。

何故なら、声変わりした後の僕の声は父親と瓜二つだからだ。

それに関しては、既に自覚していたのだが、この声質はあまり好きではなかった。 同時に父親が外では、どこからどこまでほんとかウソか判らないような冗談を言いまくってる姿が想像できた。

そういう僕もいつも身の回りで「何か面白いことはないか」を探して楽しんでいる。 だから、我が家では、妻が涙を流して大笑いする場面がたえないのかもしれない。

そんな父親が特技としていたのが「姓名判断」。

前妻が職場で付き合ってるふたりの名前を出してきては、父親には占ってもらっていた。

そんなとあるカップル。父親が「この奥さんは未亡人になる」と断言したことがある。

数年後、その夫となった人は30歳半ばで急逝した。

芸能人の誰かの結婚・離婚も良く分析した。

スポーツ選手、特に野球選手の名前は、人生の前半に芽が出る字画が多いらしい。 知り合いに赤ちゃんが出来ると、よく相談をもちかけられた。 当然、孫たち (妹の子供たち) の名前にもアドバイスをしていた。

あるとき、どうやって自分の名前を付けたのかを尋ねたことがある。

当時のTVでは「加勢大周」が持てはやされていた。

「字画は悪いより、良い方が良い。だから“文明”とつけた。」

「加勢大周の事務所が最高の字画の芸名を与えたと自慢しているが、おまえも同じ字画だからな」と力説。 「お金に困らない。」(ほんとか?)

「場合によっては世の中で一番になる芽もがある」(とても怪しい) なんでも完璧な字画はかえってよくないらしく、多少欠点を残すほうがいいとのこと。

だから僕の名前はあえて「大器晩成」にしているらしい。 充分に人生の後半にさしかかったと思うけど結果が出ていなのは、まだ先があるということ?

その後、僕の離婚に際しての父のコメント。

「うーん。やっぱりそうなったか・・・」

「結婚するとき五分五分だったからなぁ」 おいおい、だったらそのとき何か言ってくれよ。

父が肺癌で他界する一年前くらいのこと。

当時、知り会っていた三人の女性の名前を見せてみた。

本人たちには会っていない中で、父がひとりを選んだ。

「お前が明るくリードしたらうまく行く。前より断然良い相手だよ。」

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