僕が写真を始めた理由
何かを始めるには、人それぞれ理由があると思う。
僕が写真を始めたのもいくつかの理由がある。
ひとつ目の転機は「離婚」と「再婚」だ。
過去を捨て、新しい伴侶と別の道を歩むことになった時、
何か新しいことに挑戦したくなった。
その時、手にしたのが「デジタル・カメラ」だったのだ。
しかし、充実した第二の人生も長くは続かない。
次の節目は、「難病の発症」と「早期退職」だった。
こんなにはやく人生設計を変えることになるとは思わなかった。
投薬が増え、食事制限が始まる。
突然、原因不明の高熱に襲われ、入院も経験する。
今まで幾度も訪れたドイツをはじめとする海外出張も、
行くことが難しいことに気づかされる。
「もう二度と見ることが出来ないかもしれない」そう思った。
その瞬間、「何かを残したい」という衝動に駆られる。
それが写真という方法だった。
期せずしてサラリーマンを辞めることになる。
自由な時間が増えた。
もう遠くには行けなくなったが写真は撮れる。
さあ、写真を撮りに近所の街に出かけよう。
今は、それだけで「幸せ」なのだ。